癌は現代医学では治らない(6)

 手術の後抗癌剤を使って、自己免疫を低下させることなど、再発を待っているようなものだと思います。抗癌剤も必要なときもあるでしょう。しかし、髪の毛が抜け、白血球が1000くらいしかないようになるまで使うのは、どうかと思います。 まだ抗癌剤では、癌を治すことはできないことをはっきり自覚して、自分でも努力しないといけないと思います。
 でも、お医者さんによっては
「自分の治療方針に従ってもらわないと困ります。勝手なことはしないで下さい。それができないのなら、退院してもらうよりしかたありませんね」
 といわれる方があります。では、そのまま先生におまかせするしかないと、人からすすめられたこともできずにいて、結局亡くなってしまった人も少なくないのです。

 その点、私がお世話になったS病院の先生は、主人に、
「ご主人自信が、主治医になったつもりで、よいと思うことは何でもしてください。私は協力を惜しみませんから」
 といって下さり、主人のしたいようにさせて下さいました。癌の治療法が完成していない現在、何でもよいから努力してみるとよいと思います。それを治療の妨げになるからなどといわれるのは、患者をモルモット代わりにしているとしか考えられません。いろいろ新しい治療法を試して、患者がどうなるか調べているといっても過言ではないような話をよく聞きます。

 治療の妨げになるから勝手なことはするなといわれるのでしたら、責任をもって治していただきたいと思います。それなら、安心して何もかもおまかせできます。しかし、年間20万人近くの人が、癌で亡くなっているのです。それはとりも直さず、癌の治療がゆきづまっている証しだと思います。

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この記事は昭和62年10月発行の書籍『「主治医」はだんなさま』より転載しています。


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