癌は現代医学では治らない(5)

 しかし、現代医学のゆきづまりを感じて、いろいろな療法をとり入れる医者も少しは出て来ました。でも、もっと多くの医者が、ただ癌細胞だけを集中的にやっつけようとしてもだめなのだということに、早く気がついてほしいものです。悪いところを切り取れば、それでよいというものではないのです。身体全体から治していこうとしないから、悪いところを切り取っても、すぐほかに発生してくるのです。

 もちろん、早急に手術をしないとだめなときもあるでしょう。大きくなった癌が、血管を塞いだり、呼吸困難を起こしたり、食べ物の通りを塞いでしまったりして、今すぐ生命が脅かされるような場合は、切らなければいけないと思います。しかし、目に見えないぐらいの癌が見つかったから悪くならないうちに切りましょうと、大手術をするのはどうかと思います。
「まだ今なら切るだけで治ります。あとの心配はありません」
 と医者にいわれて切って、悪いところは取ったのだからと安心していたら、一年もしないうちに再発したという人がよくあります。

 本人が、癌だったと知っていても、そういうケースがあります。やはり、自分なりに勉強して、食事の大切さを知り、体によいと思うことを、自分なりに実行してみることが大切です。再発した癌を治すのは、とてもむずかしいことだと、入院中他の患者さんを見ていて、つくづく感じました。

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この記事は昭和62年10月発行の書籍『「主治医」はだんなさま』より転載しています。


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