癌と知ってよかった(4)

 現代医学の手術、化学療法、放射線療法、免疫療法や、それらをいろいろ組み合わせた集学的治療や温熱療法、血管塞栓術なども紹介されました。血管塞栓術とは、癌のあるところへ通じる動脈を塞いで、癌に栄養が届かないようにする、つまり癌を兵糧攻めにする方法で、癌に栄養を与えないという点で断食と同じようなものだなと思いました。また、栄養を断つことは癌細胞にとっては、大変なダメージになるのは確かなのだな、と思いました。

 丸山ワクチンが、今年また治験薬としての認可の期限が来るが、今後どうなるのか、丸山先生へのインタビューもあり、「副作用がなく、この10年間で20万人以上の人が使った薬を、早く認めてほしい」を訴えておられました。

 夜8時から10時前までの長い番組でしたが、大したミスもせず、無事終わってホッとしました。今まで、スタジオ見学に行き”雛壇”に並んだことはありますが、自分がゲストとしてこんな番組に出ることになるなんて考えたこともありませんでした。私としては、大変な大役でした。

 N君のご両親は、翌日子供たちを学校に行かせなければならないとのでと、10時過ぎテレビ局がチャーターしたタクシーで、信州まで帰られました。

 私たちは、テレビ局が予約して下さった全日空ホテルに泊まれるので、ゆっくりできました。テレビ局を出たら一階のサテライトスタジオで『ニュース・ステーション』の放映が始まっていました。久米さんは違う背広に着がえ、ニュースを読んでおられました。3時間ぶっ通しで生番組に出られるわけで、大変だなと思いました。私は、その後、主人と夜の六本木を歩くぐらい元気で、疲れたとそのときは感じませんでした。でもそれも緊張と興奮から覚めていなかったからでしょう。ホテルへ帰ったらどっと疲れがでて、その晩はぐっすり寝て、翌朝目が覚めたらもう9時でした。

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この記事は昭和62年10月発行の書籍『「主治医」はだんなさま』より転載しています。


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