癌と知ってよかった(2)

 続いて、癌の告知が是か非か、現在、癌の専門医として活躍しておられる先生の意見、賛否両論が紹介されました。その間、スタジオ直結の100台近い電話は全部話し中の状態で、応対する女性の声がザワザワと聞こえていました。

 そして、私の今までの経過がビデオで紹介されました。いろいろ努力した結果、スクアレンを飲み始めて元気になったことも紹介されました。癌の告知を受けたときの気持ち、癌と知ってよかったかどうかなど、久米さんから質問がありました。自分でも驚くほど、落ち着いて受け答えができました。それまで、もしあがってしまって頭の中が空白になり、何と返事してよいのかわからなくなったらどうしよう、生放送だから撮り直しができないしなどと思い、とても不安だったのですが、いざとなると、何とかなるものです。口ごもることもなく、意外とすらすら話ができて、ホッとしました。

 たくさんの電話で、いろいろな意見があったようですが、やはり圧倒的に”告知賛成”の方が多かったようです。
 でも、中には、癌になったら助かる見込みがないので、知らせないという人、癌と知って人間が変わってしまい、元気にはなったものの、冷たく投げやりな性格になったものがいる、こんな人間になるのだったら知らせないほうがよかったろうという人、うすうす感づいてはいても本当のことを知るのがこわいという人など、”告知反対”の意見もいろいろありました。

ch4-13

この記事は昭和62年10月発行の書籍『「主治医」はだんなさま』より転載しています。


ページの
トップへ