再度のテレビ出演(3)

 放映は2月16日(月曜日)の晩8時からでしたが、前の日に鎌倉の実家まで行きました。親戚の結婚式に出席するため東京へ行った際に立ち寄って以来のことで、実に13年ぶりの里帰りでした。

 主人と二人で新幹線で行きましたが、大船の駅に、妹が車で迎えに来てくれました。
 実家といっても、私が結婚してから父の仕事の関係で、引っ越ししたところで、私には福井県の小浜のほうがずっと懐かしく、鎌倉の家はあまり馴染みがありません。それで、何か用事がないかぎり行くことはありませんでした。久しぶりに来る私を父は、「まだか、まだか」と玄関を出たり入ったりして、待っていてくれたそうです。

 もしN病院にそのままいて無理な手術をして、一、二か月後に死んでいたら、今頃はもう七回忌を迎えることになります。それがこんなに元気になって、里帰りをするわけですから、父も本当にうれしくて、じっと待っていられなかったのでしょう。私の顔を見て、
「ああ、やっと来たか」
 と、本当にうれしそうでした。

ch4-09

この記事は昭和62年10月発行の書籍『「主治医」はだんなさま』より転載しています。


ページの
トップへ