再度のテレビ出演(2)

 1月の末、ディレクターの方が一人で来られて、私の体験談を聞いて帰られました。一週間後、カメラマンと助手の方と三人で来られ、私が会社で元気に働いているところや、スイミングスクールで泳いでいるところ、家族だんらんの食事風景や、今までの経過などのインタビュー・シーンを二日がかりでビデオに撮られました。二日間、主人も私も会社の仕事など手に就かずビデオ撮りが終ったときは、やっとすんだという感じでホッとしたら、いっぺんに疲れが出てしまいました。このビデオを30分足らずに編集しなければいけないとのこと、大変だなと思いました。

 そして、これでもうよいのだろうと思っていたら、今度は、生番組にするので、当日東京のテレビ朝日のスタジオに来て下さいといわれました。
 司会はかの有名な久米宏さんとのこと、生放送となると、ビデオと違って撮り直しなどできないし、あがってしまって、しどろもどろになったらどうしようと、心配になってきました。

 主人は、何百人もの人を前に講演をしたり、中学、高校と生徒会長をしたり、弁論大会に出たり、人前で話すことには慣れていますが、私は内気なほうで、そのようなことは苦手でした。
 でも、こうなった以上度胸を決めて落ち着いてスタジオにいかねばと思いながらも、日が近づいてくると胸がドキドキしてきました。

ch4-08

この記事は昭和62年10月発行の書籍『「主治医」はだんなさま』より転載しています。


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