スイミングスクールに挑戦(2)

 ちょうどその頃、週刊誌に手術をして下さった先生の免疫療法の記事が出ることになり、また「患者の代表として取材に応じてほしい」と頼まれ、もう一人の、やはり卵巣癌だった人と一緒に取材に応じました。
 その方は、運よく子宮筋腫の手術のとき卵巣腫が見つかり、ごく初期に手術できたそうです。「手術してちょうど一年になるけど、今スイミングに通っている」といっておられたので、私も「来月から行くつもり」と会話がはずみました。

 その週刊誌が出て、しばらくして、先生に、「少し免疫力が下がってきたから、あの免疫剤の注射を始めましょう」といわれ、困ってしまいました。六月から水泳を始めようと思っているのに、またあの高熱に悩まされるのは困りものです。でも免疫力が下がってきたのだったら、やはりしなければいけないのかと思ったのですが、主人が、
「もう大丈夫だから、しなくてよい」
 というので、思い切って病院へ行くのをやめてしまいました。不安はありましたが、今まで主人のいうことを聞いてよくなったのだから、今度も主人のいうとおりにしようと決心したのです。

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この記事は昭和62年10月発行の書籍『「主治医」はだんなさま』より転載しています。


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