再々入院、手術決行(1)

 ある日、SBさんの話で、少量の血液で卵巣癌の検査をする先生がいる病院があることを知り、「こんなに元気になったのだから、どの程度の数値が出るか調べてもらおう」と、軽い気持ちでその病院に行きました。検査は「IAP」という一種の”腫瘍マーカー”を使用するもので、今は一般化され、丸山ワクチンの報告書にも記入する欄がありますが、その頃はまだ、阪大と私が行った病院ぐらいでしか行っていなかったようです。

 その日は採血だけでしたが、ほかにくわしい検査もしたいから、一週間ほど”ドック”に入るつもりで入院してほしいといわれ、次の日、入院することになりました。
 もう入院などしたくないと思っていたのですが、一週間ぐらいならと、退屈しのぎに編み物の材料をもって入院しました。

 IAPの数値は悪くありませんでした。入院した日から、またレントゲン、CTスキャン、超音波などひととおりの検査があり、一週間すれば変えるつもりでした。
 ところが先生は、
「どうしても手術をしたい」
 といわれ、退院させてくれませんでした。

 毎日、先生や看護婦さんが、かわるがわる手術をすすめに来ましたが、「私は検査だけに来たのだから」と押し問答しているうちに、一カ月近く過ぎてしまいました。

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この記事は昭和62年10月発行の書籍『「主治医」はだんなさま』より転載しています。


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