腹水が原因だった (2)

退院後、何回か血液検査をしましたが、白血球が一万四千もあり、炎症反応も”プラス”で「どこかに炎症があるのは確かだから」と、先生は抗生物質の飲み薬を出して下さり、飲みはじめました。でも白血球数は下がりませんでした。

効果のない薬をいつまでも続けていては副作用のほうが心配だからと、その年の内に飲むのをやめてしまいました。その抗生剤は、「ケフレックス」という細菌に感染したときに使うものでした。今、保険の点数かせぎに山ほど薬を出す医者があると聞きますが、化学的に作られた薬には多少なりとも副作用があることを知って、飲みすぎないことが大事だと思います。ケフレックスも続けて飲んでいると、体に害を及ぼす細菌だけでなく、腸内有用菌をも殺してしまいます。

その他、原因を調べるためにいろいろな、きつい、痛い検査がありました。麻酔もかけず子宮の中に器具を挿入して内膜を切り取り、細胞診にまわしたり、肛門から金ベラのようなものをずっと奥まで入れておいて、腹部を押さえて何か手に触れないかと調べたり。さらには手首の脈を計るところの動脈に注射針をさして血を取ったりと、ずいぶんいやな思いをしましたが、結局どこが悪いのかわかりませんでした。

ch1-05

この記事は昭和62年10月発行の書籍『「主治医」はだんなさま』より転載しています。


ページの
トップへ