腹水が原因だった (1)

さて、退院する日のことです。入院するときはいてきたスカートがはけない。どんなに頑張っても、ウエストがきつくてホックが止められないのです。大した病気でもないのに20日間もじっと寝ていたので、こんなに太ってしまったのかとショックでした。というのも、そのスカートは、それ以前のスカートがきつくなり、秋口に新しく買ったばかりのものでしたから。

実はそのスカートを買うときも、夏の間ゆったりしたワンピースばかり着ていたので、ウエストが太くなったのかと思ったのですが、もうその頃には少しずつ腹水が溜まってきていたのだと気がついたのは半年も後のことです(しかし、20日間も入院していたのですから、一度でも超音波検診をしていたら腹水くらいすぐに見つかったはずでしょうが……)。

入院前ほどの痛みはありませんでしたが、お腹が張って苦しいし、車に乗っても揺れると響いて痛いし、膀胱炎でも起こしているのではないかと思いました。

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この記事は昭和62年10月発行の書籍『「主治医」はだんなさま』より転載しています。


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