生きている幸せ(3)

 6月の中頃、中学校時代の同窓会がありました。卒業後30年にして、はじめて開かれる同窓会でした。一人で行くのは不安だし、とあきらめていたのですが、主人が車で、会場のある福井県の小浜まで連れて行ってくれました。

 二年前、主人も和歌山で同窓会があり、行く予定をしていたのですが、私の入院でそれどころではなくなり、急に行くのをやめたことがありました。

 私のために楽しみにしていた同窓会に行けなかったのに、私の同窓会には遠いところまで一緒に行ってくれて、なんだか申しわけない気持ちでした。

 30年ぶりに先生にもお会いでき、大広間に入りきれないほどの参加者で、皆子供時分に返ったように、楽しいひとときを過ごしました。

 自分の体調を見ながらですが、少しずつ行動範囲も広がりました。また悪くなるのではないか、という不安もなくなり、体に自信がついていきました。

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この記事は昭和62年10月発行の書籍『「主治医」はだんなさま』より転載しています。


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